2018年9月26日水曜日

600690_チンタオ・ハイアール(青島海爾)


【貿易戦争と白物家電】

米国が中国に苛烈な貿易戦争をしかけるのは

  1. 為替的不均衡に関する米国の問題意識
  2. 知財、先端分野で、次世代の産業的覇権をめぐるつばぜり合い
  3. 米国製造業の復権(過分にトランプの中間選挙対策)
というのが根底と思っています。
ただ、2が上位目的である以上、
いまさらコモディティと化した白物家電が
米国に回帰するのは、米国にメリットがなく
ここに大いなる関税をかけることは考えにくいです。
コモディティは、経済の原則に則れば
安く安定的に生産できるところで作り
各所に売る(各所は安く買う)というのが一番効率が良いと思います。


【白物家電特化】

それで例えばTCL電子控股有限公司  (01070)
などは家電とともにスマホも手掛けていて
ZTEの例があるように、米国の牽制対象になる可能性を感じる一方で

冷蔵庫や洗濯機やテレビなどをメインに据える
600690_チンタオ・ハイアール(青島海爾)
は中国株全般が貿易戦争懸念で下げているいま
買い時だと思います。

同社はGEの家電部門を買収していて
貿易戦争の波及を懸念されています。
確かにリスクではあるものの、
  • 白物家電分野である
  • 経済の原則
  • 米国に実雇用をもたらしている
点踏まえると、他のメーカに比べ懸念は小さく
全体懸念が払しょくされた時、
個別のリバウンドも大きいと考えています。


【先進国のリプレース市場を侵食】

先進国に白物家電は広く普及しているとおもいます。
そして、その機能もほぼコモディティ化
(何を買っても概ね性能は変わらない)となっています。

ということは、
  • 必要十分な機能を充足し
  • 廉価生産ができるメーカがちょっと低い値付けで流通させると
最初はブランドが弱いから、
なにしろ安いものを欲する層が購入するのだけど
その販売がシェアとなり、数年もたつと実績ブランドになって
そして日本メーカなどは駆逐されるのです。
(米中の貿易摩擦が早めに片付いた場合
 GEブランドを活用し、一挙にということもあり得ます)

【中東、アフリカが中国に染まる】

そして、中国は一帯一路の延長線上で
中東、そして潜在的に巨大である
アフリカ市場への売り込みが国ぐるみです。

この強力な推進の元、その地域の白物家電は
中国メーカが分け合うという状況になる
可能性は絶対ではないものの、
かなりありうる未来像のように思われます。

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