2018年9月8日土曜日

第46回:1歩進んで2歩下がる新興国株投資


FRBが快調に利上げし
トランプ大統領が貿易戦争をあおり
結果、
 → 米国ドル高、株高
 → 新興国通貨安、株安
で当ファンドのパフォーマンスは
近年まれにみる悪化傾向にあります。

ここ数ヵ月は、
 → 10万円を入金し
 → 15万円分溶けている
みたいな状況で、忍耐の時間が続いています。


【短期的に新興国投資はドル為替により相殺される】

私は新興国への投資ツールはほぼ
米国ETF(ドル建て)経由になります。
多くの投資信託もドル建てでの投資だと思います。

新興国は基本こういう持ち方しかないので、
短期的には、
 → ある新興国株が資源価格持ち直し、通貨安で輸出好調、
   同国通貨建てでは株高になっていても
 → 通貨安なのでドル換算するとあまり値上がりしていない
 → トランプが貿易牽制し、輸出が抑制される
 → 通貨安のため食料など輸入コストがあがり内需も減退する
 → 通貨安で、しかもFRBは利上げを進めていて
   ドル建て負債の利払い負担が重くなる
というような構造があります。
新興国投資は各国の状況によほどの勢いがないと
米国の都合による為替によって相殺されることになります。

日本から新興国の投資(海外ETF、投資信託等)は
円→ドル→現地通貨→現地株という経路となるので
余計に、米国とドルを中心とした国際情勢で
和まされてしまうということになります。

【中期的には平均回帰のよる値上がりを期待】

ただ、各国にインデックス投資するETFの現在の価格は
経済状況と為替を全てを織り込んだうえでの価格であって
すべてを織り込んだ現状の価格は、
過去の平均から著しく低い位置にあるという言い方も可能です。

ということは、統計的には
戦争でも起こらない限り、米国とのバランスひっくるめた
平均回帰(≒強力に値が戻る)局面を
強く期待することができます。

ただ、その回帰(反騰)のきっかけが
いつ、どういう材料で起こるかは誰にも分かりません。
いまは、その材料すら誰も見いだせないわけですが
例えば
 ブラジル大統領が結局は誰になってもよくて
 なにかの経済指標が予想外のプラスになったとき
のようなことがきっかけになる気がします。

【長期的には多極化が進み、報われることを期待】

そうしたことで、短期的には新興国投資というものは
つねに米国の我田引水に和まされ、バランスされ、邪魔をされる
と基本的に考えたほうがいいですが

長期的には、そういった事情も嫌気され
世界の多極化は進むと思います。
事実、人民元による外貨準備や人民元建て債券は
この貿易戦争で中国経済が懸念されているにも関わらず拡大しています

中国及び通貨人民元が台頭すると
強い新興国の株価は、通貨含め、ドル建て価格も
素直に値動きするようになってくるのではと思っています。

人民元と米国ドルの強さが互角に近づくと
例えば
 ・人民元に対してA国の通貨が高い場合、
 ・ドルに対してA国の通貨が弱い
というようにはなりにくくなると思います。
よって、強い新興国はドル建てのETFでも
素直にその価格が上昇するようになるだろうと考えているのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。