2018年10月17日水曜日

第47回:無知の知


結局のところ株というのは米国の長期金利次第
ということを思い知らされます。
世界的に株価が激しい下げに見舞われています。
その破壊力に比べると
米中の貿易摩擦なんてどうでもいいような感じさえします。

このような環境の元
当ファンドとしては、ジタバタせず
新興国株買いを継続しています。


様々な臨み方があるとおもいますが
私は投資の臨み方には、
ざっくり次のようなレイヤーがあると思っています

  1. 歴史及び地理的な知見に基づくアプローチ
  2. グローバルマクロによるアプローチ
  3. セクター分析に基づくアプローチ
  4. 個別企業分析に基づくアプローチ
  5. チャート分析に基づくアプローチ
時間軸でいえば、1が最も長期的時間軸
2、3、4は中短期的、5は短期的な
アプローチであると思います。
有名ヘッジファンドは、2の知見に基づき
大胆な空売りで下落局面でも大儲けしています。


私は、
1及び国内株式に関しては3、4については
まあ及第点は貰えるかなと思っているのですが

2についていえば
例えばフィリップス曲線についてちゃんと
説明しろと言われると極めて怪しいし
5は全く分かりません。

基本私は
  • 安物買いの徹底
  • 長期で有望と考えた事柄への執着
でもってバイ&ホールドくらいしかできないと
近頃ようやく自分自身の身の程が分かりました。
ジタバタするだけ無駄だと思っています。


というわけで、自分が得意だと思っている
1の観点でいえば、このきつい下げも
根本的にはいつもの繰り返し
にすぎないなあと思いながら
ISMSCI新興国株 (1658) あたりを
毎日ポチポチ買っております。

2018年10月13日土曜日

コラム:「IMF世界経済見通し」を読んだ感想>新興国


【ラテンアメリカとアフリカ】

最新のIMF世界経済見通しでは
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2018/07/02/world-economic-outlook-update-july-2018
先進国経済の減速を示唆する一方で
ラテンアメリカとアフリカについて、
いろいろリスクを書きながらも
2019年にかけて経済が加速すると予想されています。
この構図について、私の理解を書いておきます。


【新興国の選好条件】

現在、新興国全般が売り叩かれています。
以下の観点で選好するとよいと思います。


新興国は現在、米国FRB利上げによる利上げで
資金流出、通貨安、債務利払い負担が懸念されています。
この点については、外貨準備の厚い国を選好すべきです。


一方で、昨今資源価格が上昇しています。
この点において、新興国でも資源輸出国にとって
通貨安はメリットになるでしょう。

それで、現在米国の利上げは、絶妙なバランスが要求されています。
米国自体が、自国の利上げと、資源価格高騰で参ってしまうと
資源国は通貨安で輸出堅調というシナリオが崩れます
その場合、米国は自国経済のために利下げすると思われますが
そのタイミングや実施方法もやはり絶妙を要するでしょう。


なので、最後の選好条件は条件は、人口規模、動態が理想的で
供給と需要を内部でできるだけ充足できる
国、地域を選ぶことです。


【合致対象】

1.外貨準備が厚い
2.資源国
3.理想的な人口動態
以上3つを満たすのがブラジルだと思います。
いまは新興国懸念と政局不安を抱えていて
さらにFRBが金融政策に失敗すれば短期では酷いことになりますが
一方で、そうなった場合にいち早く持ち直し、
また反発の潜在力を最も感じさせるのがブラジルです。

次点として、国際的な枠組みで通貨危機の懸念が後退すれば
1は優先順位がさがります。
この際、2.3.を満たしている有望な地域、国は
アフリカ、インドネシアということになるでしょう。

2018年10月10日水曜日

コラム:「IMF世界経済見通し」を読んだ感想>先進国


米国利上げに伴う新興国資金流出は
当ファンドにとっておもいっきりネガティブです。
投資は恐怖と欲望のゲームです。正直、怖いときもあります。

それで、短期的な恐怖に負けそうなとき、
IMFの世界経済見通しは
私にとって「よりどころ」にはなっています。

そこで、私自身の決意を新たにする意味でも
最新のIMF世界見通し(2018年7月)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2018/07/02/world-economic-outlook-update-july-2018
を読んで思ったところを書き留めておきます。


【先進国の成長見通しとその感想】

先進国全体のGDP成長率について
  • 2017年実績は2.4%成長
  • 2018年予想は2.4%成長で横ばい
  • 2019年予想は2.2%成長で鈍化
になっています。

先進国経済はこの10年、
リーマンショック以降の金融緩和環境のもと
大衆へのスマホ普及という市場創造により
経済成長したというのが私の印象です。

スマホの普及により大衆の生活が一変しました。
電車のなかで8割以上の乗客はスマホを触っていると思います。
そのプラットフォームが
実用や娯楽など、需要側供給側双方に
大きな市場拡大を促しました。

そして
現在Amazonが物販のスマホEC移行を取り込んでいるのは
その最終局面のような気がします。
それが一巡したとき、スマホがもたらす周辺需要と供給の
波及分野というのは一巡するのではないかと思います。
その頃合が2019年という感じがします。


【先進国のカタルシス】

現在ホームスピーカというのが流行りですが
これはスマホの延長線上でしかない気がします。
ひとり1台のスマホを持っている環境下では
ホームスピーカはそれを代替するものではなく
オプションあるいは、もしかしたらカニバライズする
製品でしかないと思います。

私の勝手な感想としては
2019年以降の、先進国の成長には
新たな一家に1台、一人に1台というイノベーションを起こす
製品が必要ではないかと思っています。

その有力候補が
  • 自動運転自動車
  • ロボット(スマホでは料理の作り方はわかるが料理は自分で作る必要がある。この例では料理を作ってくれる○○というのがイノベーションで、そのロボットは、電子レンジメーカが生み出すかもしれない。前述のホームスピーカは、スマホ→ロボットへの進化における必要な「過程」なのかもしれない)
であって、
googleやソフトバンクはそういうところに
巨額の投資をしていると理解しています。


【日本について】

さて、IMF世界経済見通しによると
日本の経済成長見通しは
  • 2017年実績は1.7%成長
  • 2018年予想は1.0%成長で減速
  • 2019年予想は0.9%成長でさらに減速
と先進国全体より厳しい評価となっています。

個人的には
自動運転車やロボット分野の完成品分野で
日本がデファクトスタンダードを築いてほしい
と願いますが、
残念ながらただの高性能な部品屋になる可能性のほうが
高いであろうと思っています。

ただ、どちらに転んでも個別企業でいえば
日本の「高性能な部品屋さん企業」は儲かると思います。

具体例として
6929 日本セラミック
の高性能センサー部品は
ロボットにも自動自動車にもニーズがあると思います。


【新興国について】

長くなったので後日、別途、
読書感想文を書こうと思います

2018年10月6日土曜日

201809_月次レポート


【概況】

元本保全性(元本成長率)
 162.4%(前月比+2.7P)
当ブログにおける元本保全性は、月末時点の総資産評価額(円建て)を証券会社への純入金累計額(出金は相殺。売却益、配当等の再投資額は含まない。円建て)で割ることで算出しています。

配当等収益額(税抜、手取りベース)
 12,916円
月中に生じた、配当金、分配金、貸株金利受取等の税抜後の受取総額(円建て)となります。なお、期間中に発生した売却益は含まれません。

--ご参考--

ドル円レート
 前月末111.13円 → 今月末113.8円
世界株式ETF(VT)
 前月末76.13米ドル(円換算8,460.32円)
  → 今月末76.00米ドル(同8,648.8円)
日経平均
 前月末22,865.15円  → 今月末24,120.04円


【月中の運用経過および来月の運用方針】

9月は日経平均が上放れしました。
当ファンドも、保有日本株アセットが牽引し
含み益が増加しました。

10月は、中国を中心に新興国アセットを買い増します。
早ければ11月の米国中間選挙でアク抜け可能性があります。
また、それがなくても長期では報われることを期待しています。

2018年10月3日水曜日

1658_ISコアMSCI新興国株


ブラックロックの前科

私は1590_IS米国リート・不動産をNISA枠で買っていたのです。
http://maddogdow.blog.jp/archives/47270147.html
ブラックロックはおそらくNISA開始に合わせて、
これ以外にも複数の米国籍ETFをJDR上場していました。

このJDRのETF群、当初は配当金が日本ではNISAで非課税だけれども
米国で30%課税という「意味ないじゃん!」状態だったのです。
それが途中10%に軽減されるなど密かに改善されるなどはあったのですが
ぜんぜん出来高が盛り上がらないETFでした。

そして、外資らしいダイナミズムで
ある日突如日本内国ETFを立ち上げ、
JDRETFは全部クローズする宣言がありました。
丁度去年(2017年9月)の今頃です
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/fund-announcement/1590-ishares-u-s-real-estate-etf-20170928-fund-announcement-ja-jp.pdf

私は10%課税という問題があるにせよ
NISA期間中ずっと持ち続けて高配当をもらおうと思っていたので
梯子をおもいきり外されることになりました。


1658_ISコアMSCI新興国株

それで、しばらくブラックロックジャパンのETFは
信用できず買わなかったのですが
1年弱経過して、資産残高29憶円とそれなりに成長し
(約款上は繰上償還される可能性があるが、受益者がそれなりに厚い)
出来高も月7千万と国内ETFでいえばそこそこある
 1658_ISコアMSCI新興国株
の買い付けを最近始めました。


選好理由

昨今の米国利上げ&米中貿易戦争不安懸念で
新興国はきつい下げになっています。
私はいまこそ新興国アセットの仕込み時と思い
特に米国ETFの
 DGRE_ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド
を買いまくっていました。
http://maddogdow.blogspot.com/2017/06/dgre.html


  • 出来高が少ない
  • せっかくNISAで買っても米国で課税される
  • 売買手数料が高い
等々で、もろもろ不満もあったのです。

それを最近、
1658_ISMSCI新興国株
に変更したという事情です。
主な理由は
  • ここまで新興国が売り叩かれていれば、新興国スマートベータでなくても、単純に新興国をパッシブで買えば報われる気がした。
  • 1口数千円なのでネット証券のプランによっては売買手数料無料で、時間分散を意識しながら刻みで買える
  • 信託報酬も0.23%と安い
  • 国内ETFなので海外ETFに比べ、NISA非課税メリットを享受できる
というように考えたためです。


買い増し方としては、毎日昼過ぎ位に値段を見て
前日以下の時は1株買うという感じで
最近隔日で仕込みをしています。

ブラックロックさんには、
くれぐれも私の梯子を再び外さないようにお願いします。