2019年11月16日土曜日

第52回:投資相対性理論


ヘッジファンドはいかなる相場環境下でも
絶対収益を挙げることを目標に運用されます。
下げ相場では売りのオプションも積極活用し
基本的に、元本が増えればOKという考えです。
しかし、長期的なインフレを織り込みながら
信託報酬に見合う結果を出せているでしょうか?

アクティブファンドはなんらかの市場平均指数を
ベンチマークにそれを上回る運用成績を目指すものですが、
信託報酬を加味したときほとんどの投信が
市場平均を対象とするインデックス投信に
成績が劣後するといわれています。
ただ、この場合も平均が上げ相場であれば
絶対収益という意味では、含み益の場合が多いでしょう。

このような背景から、何をもって「勝ち」と
みなすのかは投資家ごとに相対的なのです。。
よって、自分の投資は何を以て成功なのかを
きちんと見定め、見失わないことが重要です。
それが曖昧だと、
「儲かっているけど、市場平均に勝てていない」
などといった考えが思いつきに近い形でよぎり
つまらない小型株を深追いしたりして
大損することになります。

私は、株は債券との綱引きというよりは
世の中に流通している経済状況と現金量とリスクを反映し
相対的に時々の平均株価があるという考え方がベースにあるので
株価が下がった場合には、相対としての全体環境と比例している
と捉えると、額面が下がってもあまり危機感がないのです。

基準価額がどうなろうとも
時々に普通の会社以上に、無理なく(業績に裏付けのある)
安定的に高配当を出している会社が、
相対的に強い会社だと思います。

なので、私の考え方に合致するものとしては
時々に経営・財務が安定している
高配当企業のみ機械的に選び出して運用してくれる
高配当ETFが最高だと思います。

2019年11月13日水曜日

第51回:ETFは投資で難しい「売り」がしやすい!


昨今、ネット証券会社の健全な競争で、
売買金額で変動しますが少額であれば
米国ETFの売買にかかる手数料が大変少額になりました。
数年前はだいたい25ドル/回(1ドル100円だと2500円)
かかっていたので、劇的な進化です。
資金力の乏しい個人投資家である私は
非常に売買しやすく感じています。


国内個別株式の売買


国内株式では、100株が売買の1単元であって
銘柄にもよりますが、最低売買代金は数十万円になります。
資金力の乏しい私は、1単元しか買えません。

するとどうなるかというと
2倍3倍に含み益が膨らむほど
もっと騰がるのが「怖くて」売れないのです。
そこから下がっても同じで、自分が売ったあとから
また回復するのが「怖くて」売れないのです。

まだ、買った直後値下がりしたほうが対応しやすいです。
もちろん負けもありますが、
ファンダメンタルへの確信を前提にPER、PBRを横目に
ナンピンを重ねると、含み益を確保できる場合が多いです。
ただ、この場合も1単元が大きすぎるがゆえに
なかなか利益確定の売りを決断できません。


ETFの売買


銘柄にもよりますが、1単元を2、3,000円で売買できます。
そして、ETFはよっぽど変化球な銘柄でない限り
概ね各国の株価市場平均をターゲットにパッシブに構成されています。
この場合、価値がゼロになることは考えずらく
また統計的に平均回帰の可能性が高いので
ナンピンもあまり勇気を必要としません。

なので、値下がり局面では、週当たり2単元で
1年半買い続けるなど、かなりじっくりとナンピンで買い向かい
百数単元を仕込むことができます。
そして、値上がり局面では、週当たり1単元で
売っていくなどができます。
百数単元を確保しているので、万一もっと騰がったとしても
売り駒が残っているという安心感から切り崩しの
利益確定売りがしやすいのです。

以前は、1単元売るたびに25ドルかかっていたので
(場合によっては1単元の価格より高い!)
このような売り方をすると利益が手数料負けして
大幅赤字になったのですが、それがタダに近いような
金額になったため、非常にやりやすくなりました。

平均回帰の可能性の高いパッシブETFで
値下がり局面で厚めにナンピンしていき
値上がり局面で少しづつ売っていくと
1銘柄で永続的に含み益を確保できます。
おそらく、過去30年停滞し続けた日経平均は
この買い方がとても親和性が高かったと思います。
(なお、この方法で突き進んだ場合も、最期の最期に
 積み残った分を売るという決断は基本、避けられません)

投資信託の場合


投資信託の場合でも、ETFと同じように
小口で売買ができるといえばできますが
約定価格が後付けで決まる”不愉快さ”があります。
私はそれを許容できないので、ETFが好きです。