ダウの負け犬戦略を、地域別には新興国を含むグローバルに、アセットクラスも株式に加え、債券、リート等を含め拡大解釈して適用したのが「ダウの狂犬」戦略の概要です。このブログでは、当戦略の内容と成果について公開しております(似非ファンドマネージャ 宇野 狂)
サイトマップ&昔の想い出
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2018年3月31日土曜日
第44回:漁夫の利
米国が中国に米通商拡大法232条、301条適用との
情勢から貿易戦争不安となっています。
米国の鎖国傾向が昨今著しく
それは米国が
・広大な国土と潤沢な資源
・IT等先端分野で技術突出
・先進国では稀有の若年層の厚い人口増加国
⇒供給需要とも自国内で賄いうる
ということに裏打ちされてできうることだと思いますが
そうはいったものの、
当世のグローバル経済を考えると
完全に閉鎖というわけにはいかないでしょう。
自国で足りないもの、余っているものという
需給調整はあるでしょうし
ITは国境を飛び越えます。
それで、歴史を鑑みると
各国が閉鎖主義を志向したとき
自国の需給をまかないうるブロック経済というのが
志向されます。
米国は232条の発動対象から
カナダ、メキシコ、オーストラリア、欧州連合(EU)、
アルゼンチン、ブラジル、韓国
を除外したようです。
ここに、地政学的な意味を感じます
いうまでもなく韓国は中国の喉元のための囲い込みです。
欧州は、白人社会にて歴史的な文化圏としての
一体感からといえるでしょう。
カナダは、言語もいつにした
交流上国境はあってないような地域と言えそうです。
特に私が重要とおもうのは
ここに南米のメキシコ、ブラジル、アルゼンチンが
あることです。
南米は米国、中国とも貿易の結びつきが強い。
よって、米中で貿易戦争が激化した場合
南米は米中のブロック経済構築争奪戦になるイメージをします。
→ メキシコは、米国の風当たりが軟化し
→ ブラジルは、米中の競い合いで有利な経済支援を獲得し
結果、南米は貿易戦争が激化すると
漁夫の利を得るような気がするのです。
2018年3月28日水曜日
第43回:大局観
7桁100万円の位で、当ファンドの資産が溶けています。
嫁に言ったら、殴られそうです…
先月2月の米国金利上昇懸念に続き
今月3月は米国トランプ大統領の動向から
貿易戦争が懸念されています。
当ファンドは
・海外分散投資重視 → 円高が直撃
・新興国投資重視 → 貿易戦争懸念が直撃
です。
増減率の観点でいえば
単に昨年のトランプ相場で膨らんだ含み益が
一部溶けているにすぎないのですが
人間心理はえてして
前者の、目先の損失金額が怖くなって投げ売りを誘います。
こうしたときは
・株式投資の統計的なリスクリターンの再確認
・自身の大局観への立ち返り、再確信
が有効でしょう。
米国株については、
リーマンショックからQE発動し
9年間にも及ぶ上昇相場で
多分近いうちにゴルディロックス相場が終わったとき
水準感がどこで落ち着くのかさっぱり分かりません。
一方
新興国株式については、
・2011年の高値水準
↑↓
・2016年初頭の資源価格暴落で大底
と考えています。
以後、FRB利上げが続く中でも緩やかに上昇してきました。
現在、底値からかつての高値水準まで1/3程度回復しての
いまの暴落なので、逆に米国株なんかより
下値は限定的なような気さえします。
米国の閉鎖主義は、世界のパワーバランスから見れば
中国を利するでしょう。
私には、中国を核に
欧州、アセアン、中東、アフリカが結びつき
世界の多極化が進むように思われます。
そうした大局観が、この相場環境にあっても
私を新興国投資に向かわせています。
2018年3月24日土曜日
コラム:エリス先生の『敗者のゲーム』を読んで
私の投資デビューを白状すると、
我ながらかなり安直かつ楽天的なほうなので
人口増の近未来で、水と食料、これが焦点になるに違いないと
それをテーマとしたアクティブ投信に
数百万をダイナミックに投信にぶち込みました。
(とはいっても、その夜は寝付けませんでした)
結果、数か月で数十万含み損となりました…
それで、より真剣にネットで検索して
例えばウォータバロン(水関連とされるいくつかのグローバル企業)は
水というテーマ以上に公共関連株として
値動きするものだとか学びながら
幸いその価格も回復し始め、まあそんな中で
ダウの狂犬戦略の原型のようなものに思い至りました。
事後、このブログも4年位やっておりますが
大勝はしないけれども
まあぼちぼちうまくいっているほうだと思っています。
そんなわけで、私は
・無料のネット検索情報
・実地体験
まず、実体験としての含み損、含み益体験に加え
少し勉強してみると、自然と貧乏サラリーマンとしての経験が
紐づいて、自分的なファンダメンタル分析が完成した。
でいまのスタイルに行きついており、
→ 有料購読のネット情報
→ 書籍
などは基本一切見ていないのですが
このほどチャールズエリスの「敗者のゲーム」を
先日タダでもらったので読みました。
さすがに名著といわれることはあると思いました。
基本的に主張されているところは
===
1.
アクティブ投資が競い合った平均値がインデックス投資である。
よってインデックス投資は、
アクティブ投資の平均点を獲得できると同時に
コストがかからないので、
結果、アクティブ投信より実リターンの成績がいい。
2.
長期(数十年スパン)でのアセット別のリターンは、
平均的・統計的にほとんど決定されている。
よって、今日インデックス投信を購入し
明日市場が暴落というような状況でも(マーケットタイミング)
長期では、統計的に、極めて高いプラスリターン可能性を踏まえれば
さざなみにすぎず一喜一憂、狼狽するに足りない。
ドルコスト平均法で織り込めばいい。
3.
例えば20代の若者が40年後という時間軸でリターンを狙うなら
株式というアセットに100%配分で(国際分散は推奨)投資すると
統計的に最も報われる可能性が高い。
===
ということだと思います。
それで、私の結論としては
⇒ 株式を主体としたポートフォリオを構築し、
⇒ そこへ、バリュー平均法で臨むと
安いときに多く買い、高いときには少しだけ買う。
というようにやると
現代ポートフォリオ理論をベースに
ゆるやかにマーケットタイミングメリットも
取り込んだ投資ができる気がしました。
それで貧乏サラリーマンである私が勤める会社にも
かろうじて確定拠出年金(401K)プランがありまして
これは月次の投入額が一定ですので
(もち、マッチング拠出フル枠使ってます)
こちらのほうは自動的にバリュー平均法で
買えていることになりそうです。
401kプランがない方でも、iDeCoに取り組めたり
つみたてNISAに取り組む場合に
とても参考になる書籍のように思います。
2018年3月21日水曜日
コラム:機関投資家との投資情報格差
かつては、機関投資家は絶対に有利でした。
個人投資家が知りえない情報を
より早く・より詳細に企業にヒアリングできたようです。
それが、いまではスチュアードシップ・コードや
コーポレートガバナンス・コードが普及していて
ネットを通じて情報が速やかに公開されるので
機関投資家と個人投資家の情報格差は
ほとんどないという向きもありますが
私はまったくそう思いません。
というのも
前のレポートで書いたように日本セラミックのIRでは
品目別の売上は具体的にほとんどわからないのですが
品目別の売上は具体的にほとんどわからないのですが
http://www.nicera.co.jp/ir/pdf/ppt/ir-ppt-201802.pdf
一方で四季報の最新号(2018春号)には
「自動車用超音波センサーがEV・HEV向けや防犯向け中心に2ケタ増販」
としっかり書いてあります。
当然、機関投資家はこのあたりの情報は
四季報発刊以前に
企業から聞いていて把握していると思われます。
このような事情から
こういった情報を織り込んだプロの予想の
平均値に投資することになるインデックス投資が
個人投資家には有効だといわれています。
が、なんにしても根本的には不平等なわけで
なんか納得できないわけです。
・企業はメディア、機関投資家、個人投資家に対して
公開する内容、範囲、タイミングはすべて同じにする
・投資家は、公開された企業情報に
外部環境や業界動向を加味して、
それぞれ将来の予想をして、
情報戦や仕手的な仕掛け売買も含め競い合う。
これが、フェアというものでしょう。
「自動車用超音波センサーがEV・HEV向けや防犯向け中心に2ケタ増販」
としっかり書いてあります。
当然、機関投資家はこのあたりの情報は
四季報発刊以前に
企業から聞いていて把握していると思われます。
このような事情から
こういった情報を織り込んだプロの予想の
平均値に投資することになるインデックス投資が
個人投資家には有効だといわれています。
が、なんにしても根本的には不平等なわけで
なんか納得できないわけです。
・企業はメディア、機関投資家、個人投資家に対して
公開する内容、範囲、タイミングはすべて同じにする
・投資家は、公開された企業情報に
外部環境や業界動向を加味して、
それぞれ将来の予想をして、
情報戦や仕手的な仕掛け売買も含め競い合う。
これが、フェアというものでしょう。
2018年3月17日土曜日
6929_日本セラミック
日本セラミックの株主総会の案内が届きました。
平日開催!会場は鳥取!行けません…
さて、
それをきっかけに同社のIRで
最新の決算説明資料を読みましたが
http://www.nicera.co.jp/ir/pdf/ppt/ir-ppt-201802.pdf
正直、よくわかりません。
私が一番知りたいのは品目別の売上
特に自動運転に絡んでセンサー関係が
売れているのか、前年比でどれくらい伸びているのかですが
P3に一言「好調」と書いてあるだけです。
たぶん、このあたりを明らかにしてしまうと
どの仕向に、どういった製品を売り込んでいるのか
競合に明らかになってしまうということだと思いますが
株主である私としては、分からないのは不満です。
そんななかですが、
P7の地域別売上を見ると北南米が少ないのが気になります。
自動運転の本場はアメリカだろうと思っていて
そこで同社センサー製品が売れていないとすれば
ちょっと心配です。
ただ、同社の直接の販売先は国内電子部品商社が過半で
その商社が海外でがんがん売っているかもしれません。
つまり、やっぱり本当のところはよくわかりません。
結論としては
業績を見ているのしかないのでしょうが
地域別売上高に照らし、私の中期見通しは「強気」に傾きません。
「中立」を維持します。
2018年3月10日土曜日
201802_月次レポート
【概況】
元本保全性(元本成長率)
172.6%(前月比‐9.0P)
当ブログにおける元本保全性は、月末時点の総資産評価額(円建て)を証券会社への純入金累計額(出金は相殺。売却益、配当等の再投資額は含まない。円建て)で割ることで算出しています。
配当等収益額(税抜、手取りベース)
35,376円
月中に生じた、配当金、分配金、貸株金利受取等の税抜後の受取総額(円建て)となります。なお、期間中に発生した売却益は含まれません。
--ご参考--
ドル円レート
前月末109.21円 → 今月末 106.67円
世界株式ETF(VT)
前月末78.27米ドル(円換算8,547.86円)
→ 今月末74.00米ドル(同7,893.58円)
日経平均
前月末23,098円 → 今月末22,068円
【月中の運用経過】
今月は市場の米国FRBの利上げスタンスの忖度から
米国長期金利上昇となり
波乱の相場展開となりました。
このような環境のもと、当ファンドの元本保全性も
その影響をかわしきれず。大幅な減少となりました。
配当等収益額は先月に続き
3万円を超える獲得となり
普通のサラリーマンが会社帰りに飲み食いするには
十分なお小遣いを獲得しています。
しかしながら、現状このほぼ全額は
再投資に回っておりますので
今月は高配当の緩衝を突き抜けるレベルで
元本保全性が大幅にマイナスとなりました。
このような環境のもと当ファンドでは
NISA枠にて
・ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド
を買い増しつつ
・1399_上場高配当低ボラ
・1577_NF野村高配当70
にも触手が動き買い増しました。
【来月の運用方針】
当ファンドはNISAを創設初年度から活用しており
今年が最終年度です。基本、120万枠を使い切る必要があります。
当ファンドにとって最悪なのは、
今年市場全般がだらだらと下げ続けることです。
全体がだらだら下がるだろうとほぼ確信しながら
ディフェンシブに120万を使いきるというほど
ストレスなことはありません。
しかし、基本そんな展開をいまは強く予想していて
一面しょうがなく、盲目的に将来を期待して
・DGRE_ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド
を引き続き買い増すしかないのかなあと思っています。
願わくは、むしろ一旦ガツンとマーケットが崩壊して欲しいくらいです。
むろんその場合当ファンドの元本保全性も
大きくその価値の棄損は免れないでしょうが、
そこから徹底的に
・VIG_バンガード・米国増配株式ETF
に突っ込んでいくというほうが
私的にはストレスがないところか、快感にすらなりそうです。
2018年3月3日土曜日
1399_上場高配当低ボラ
人口減という絶対的な状況が好転しない日本。
したがって、日本株のインデックス投資的なものには
普段はよっぽど触手が動きませんが…
当ETFは基本的に日本株の中の高配当銘柄を
安全性も加味して自動的によろしく運用してくれる上場投資信託です。
いまの時期は毎年おいしいと感じ、
さらに目先1年もいいような気がします。
【1.3月末配当取りを先取り】
日本は3月末決算、3月末に配当を受け取る権利が集中します。
それで例年3月の2週目くらいから
高配当銘柄には配当取りの買いが入ってくる感じがします。
当ETFも例年この時期は堅調な気がします。
よって2月末から3月月初に同ETFを仕込むことで
配当取りの先取りができているような気がします。
【2.最近の米国動向】
米国は、実体経済堅調を背景に利上げを進めようとしています。
日本は、本当は大規模緩和をソフトランディングし、
正常化に向かいたいものの物価上昇2%実現宣言の未達状況から
まだ相当期間低金利が維持されると思います。
それで、私の見立てとしては
・米国株は金利上昇圧力で上値が重くなると思います。
折に触れ仕掛け売り的な急落にも見舞われると思います。
日本株も一時的に急落する局面を想像します。
・金利差からドル高円安が進むでしょう
・米国実体経済堅調なことから、
日本企業の対米輸出など、堅調に推移するでしょう。
⇒輸出堅調+円安で日本株が一段高
というのを目先1年くらいのメーンシナリオかと思います。
同ETFに投資することで
その潮流を保守的に享受できると思います。
【3.バブル…ややトンデモ話も含み】
現在、本邦株式市場の売買シェア7割は外国人投資家のようです。
ということで、米国金利上昇の圧力を
一旦日本株はもろに喰らうと思います。
ただ、最近の日本の緩和的状況から
私の会社、私のような貧乏サラリーマンにも
投資話の勧誘電話がかかってきます。
このような潮流から、
「輸出堅調+円安で日本株が一段高」
という論調が支配的になってきて
個人投資家の売買シェアが上がり始め、
それが株価を押し上げる予感がするのです。
ただ、もしそれが現実になっているとすれば
それはバブルの兆候だと思います。
個人投資家の売買シェアが上昇し始めたら
売り抜けを考え始めたほうがいいと思います。
それで、同ETFのいいところは
この潮流になった場合も保守的に値上がりを享受できるし
バブル崩壊し売り抜けを失敗した場合も高配当が
価格をある程度は支えてくれる点です。
【4.リスクシナリオ】
地政学リスクにつきると思います。
北朝鮮の暴発はもちろん
東日本大震災規模の大地震、大津波などの可能性が
わが国にはつねにつきまといます。
しかし、これらが起こったら
投資元本以前に生命の心配をしたほうがいい気がします。
ということで1~3の可能性を享受できないという
「もたざるリスク」を回避する意味で、
同ETFを現在ホールド&少し買い増ししています。